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2023.11.1 バングラデシュ奮闘記 道路交通編

バングラデシュの道路交通河野和久

1.概要

バングラデシュには主要都市を結ぶ鉄道がありますが、主体は道路交通です。まだまだ世界の最貧国とされていますが、人口が増加中で産業も力強く発展していて、物流は盛んで沢山のトラック、バスが走っています。左側通行で日本と同じです。私が見たダッカや近郊の道路事情を紹介します。

2.都市間道路

主な都市は高速道路とまではいきませんが、高規格道路で結ばれています。この道路は最高速度が80km/hらしいのですが、平気で100km/h以上でぶっ飛ばしています。日本の高速道路と違うのは、至る所にバス停があり人が横断したり、道路脇を歩いていることです。ハラハラドキドキですが自己責任で歩いているということで車は減速なんかしません。自家用車は少なくほとんどはトヨタ車です。バスとトラックが多いのですが、トラックは古いインド製がほとんどで貨物を満載してゆっくり走り、バスは日野やいすゞの大型バスで地元のドライバーがクレイジーバスというほどスピードを出します。曲がりくねった一般道路でバスがドリフトをしながら走るのを見ました。
ダッカ市内はインフラの建設ラッシュで至る所で高架の道路、鉄道が建設されていました。道路は出来た部分が五月雨式に開放されるのでドライバーは交通量の少ない道路を右に行ったり左と小刻みにレーン変更しながら走ります。


完成したばかり?の高規格道路


建設中の高架道路

下の写真は宿舎前の道路ですが、毎日こんな具合にトラック、バスがひしめき合っています。事故渋滞は日常茶飯事ですが、事故処理が意外に早くて直ぐに通常に戻るようです。


宿舎前の国道

3.ダッカ市内の道路事情

ダッカの人口は2017年時点で1,700万人ですが、現在はもっと多くなっているはずで、東京より人口が多いということです。道路は膨張する人口を吸収できず至る所で交通渋滞が発生しています。驚くことに超マンモス都市であるダッカには信号が2か所しかないそうです。主要道路は十字路構造ではなく、右折できないので目的地を過ぎてから中央分離帯が途切れる箇所でUターンしてたどりつくことになります。所々に警官が立っていて適当な交通誘導をしているようでした。そんな渋滞中の道路を歩行者は車の前後を縫って横断します。日本人では難しい芸当と感じました。人身事故が多いのか、結構な数の横断橋がありました。


ここは何車線だろうと思う位ひしめき合う車


力車(電動式が多い)


3輪のオート力車

交通渋滞を引き起こす原因はもちろん絶対的なインフラ不足ですが、力車などスピードの違う種類の車がごちゃごちゃ混ざり合っているからと思います。力車は安いので地元の方々は歩かないで力車に乗って移動することが多いようです。これはダッカのような大都市だけではなく田舎の町でも同じです。雇用の確保にも一役買っているのかもしれません。


横断歩道はあってもその下を横断


貨物満載のトラックの列

4.交通マナー

この国にマナーはありません。早い者勝ちです。追い越しは左右どちらもありです。右側が追い越し車線なんてルールはないので、ちんたらマイペースで走るトラックがいつまでも右側の車線を走り続けている時は左から追い越しますが、必ずクラクションを鳴らして自分がいることを前の車に教えます。運転手も常に左右のバックミラーを見て後ろの車の動きを警戒しています。この国では居眠り運転する人はいないだろうなと思う位緊張しながら運転しています。
交差点では直進も右折も早く頭を入れた方の車が勝ちです。強気の運転をしないと前に進めません。車同志が駆け引きしている間に歩行者が車の前を横断するので、正に交通戦争状態です。助手席で空港からこの状態を見ながら宿舎まで移動し、具合が悪くなり翌日休みを取った人がいました。